よたろぐ

弾き語り、おりたたみ自転車とカメラのブログ

規律とテリトリーを重視するドイツとそれが苦手な日本人

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業務変更により、ドイツに定期的に通うのも最後になった今回、帰り道でふと見上げるとオリオン座がきれいに輝いていました。

 

よい思い出になったな

 

などとは全く思わず、いそいそと写真を撮ってみました。いやもう寒いのなんのって。-5度くらいだったので、カメラの金属部分が指に張り付くかと思いました。

 

1年半くらい行ってきたドイツでの業務を終えます。ここでの仕事の印象を一言でいうと『自分には合わない』でした。合わない仕事を続けることで精神的な負担もあったので、今回の業務変更は助かった部分が大きかったです。結果として、イギリスを出ていかなかなきゃならなくなったので、トータルでは残念な部分の方が多いですが、仕事だけ見ると今回の業務変更は僕個人にとってはとても助かるものでした。

 

働き方に相性はあります。だからドイツの働き方がおかしいわけではなく、僕に合わなかったということなのだと思います。

 

彼らは、自分の守備範囲を明確に定め、それをかたくなに守ろうとします。その守備範囲に他人が入ってくることを許さないし、それ以上のエリアを守備しようともしません。その結果としてチーム全体で取りこぼしがあったとしても『自分はきちんとやっている』と言い切れる気持ちの強さを持っています。残念ながら僕には決められた守備範囲だけで仕事をして楽しんだり自信を得たりと言う気持ちの強さはありませんでした。

 

サッカーで例えてみるとわかりやすいかもしれません。僕の守備範囲は左サイド。ディフェンダーだから守ることが仕事。でも点を取るためにはどうもサイドを上がっていった方がよさそうだ。そう思っても規律を重視するチームではそれが許されない。そんな感じの仕事の仕方です。

 

どちらがよいと言うわけではありません。僕が前に出ていくと守備が手薄になる。そういうリスクを排除することで勝率が上がることは多々あると思います。やることを限定して効率を上げる。それは決しておかしなことではありません。ただ、そういう働き方は僕は好きではない。リスクを冒しても勝ちに行った方が面白いし得るものも大きいと思ってしまう。だから規律重視は非効率でつまらないものだと感じてしまったのだと思います。

 

この規律重視の姿勢は副産物を生みます。それが上意下達の徹底。上の者が言ったことはそれが間違っていたとしても服従すると言う文化です。

 

規律があると言うことはその規律をコントロールする人がいるわけで、その人間の権力は強いものになります。そして逆らう者が減る。

 

もちろんこれも間違った考え方ではありません。上の人間が正しい判断をすれば効率的だし、多少間違いがあったとしても効率で乗り切れる可能性が高い。でもやっぱり好きになれませんでした。部下がここまで服従してしまうのは異常だと感じる局面を何度も見ました。僕はフラットに意見が言えるチームで働きたいと思ってしまいます。

 

このドイツの働き方の特徴、よくよく思い返してみると日本のそれとよく似ているな、と感じます。奇しくも自動車産業が基幹の両国、文化も似ているのかもしれません。そういう意味では日本企業が苦手で出てきた僕にドイツが合わないのは必然だったのかもしれません。

 

次の勤務地は台北。数字目標はきつそうですが、それを追いかけるのは楽しい作業。自分らしく働ければな、と思います。