ミニギターのメリット・デメリット
彩雲弦楽器工房のミニギター豆鉄
リトルマーチン・ベビーテイラーなど、ミニギターが人気になって久しいですが、僕も彩雲弦楽器工房の豆鉄と言うミニギターを2年以上弾いています。すごく気に入っているので、基本的にミニギター推進派なのですが、もちろんミニゆえのデメリットもあります。
そこで、これからミニギターを買おうという人のために、ミニギターのメリット・デメリットを書いてみたいと思います。
まずはメリットから。
かわいい
小さなボディーゆえの可愛さ。これがミニギター最大の魅力です。楽器はデザインで決めるものではないのかもしれませんが、気に入った道具は長く使えるのでやっぱりデザインは大事なファクター。ミニギターは普通のサイズのギターよりもかわいいと思えるものが多いので、お気に入りのギターが見つけやすいと思います。
自分が気に入るだけでなく、他の人にも注目してもらえるのもよいところ。トップの画像はGuldfordの公園で弾いていた時に声をかけてくれたノルウェー出身のおじさん。下のイタリアから来たお兄さんも公園で声をかけてくれ、一緒に歌いました。こんな出会いがあったのもミニギターを持っていたからこそです。
曲作りなど、他の作業をしながらつま弾くのに最適
例えばお酒を飲みながら、曲を作るためにメモをしながら。普通のギターでやろうとすると腕が自由に動かせずに難儀します。その点、ミニギターは自由に腕が動かせるので他の作業をしながら弾くのに最適です。他の作業をしながら弾けるということは弾く機会が増えるということ。だから上達も早くなる。気がします...。
持ち運びが楽なので、外に持ち出す機会が増える
当たり前ですが小さいので持ち運びも楽です。豆鉄はミニギターでも小さい方ですが、このサイズだとハードケースにしまって背負ってそのまま電車の椅子に座って迷惑になりません。
だからどこにでも持って行ける。例えば、友達と飲むときに気軽に持って行って、一緒に歌ってみたり、と言う使い方ができてしまいます。飲み会が一気に楽しくなりますよ。
もちろん、飛行機にも手荷物として持ち込めます。日本の航空会社は持ち込みのサイズが決まっているのですが、豆鉄はそのサイズをクリア。British AirwaysなどはバイオリンはOKだけどギターはだめ、と言う規定のようなのですが、小さいのでバイオリンだと言い張って持ち込めます。
空港ではリトルマーチンを持ち込んでいる人を結構見かけるので、保証はできませんが航空会社によってはリトルマーチンでも持ち込み可能なところがありそうです。
PAにつないだ音は普通のエレアコと変わらない
ミニギターは音がよくないからライブでは使えないんでしょ?そんなことありません。ライブでPAにつないで使うのならば音質は普通のサイズのギターに負けません。
ピックアップで音を拾うのであれば、実はギター自体の音はあまり重要ではないんです。それよりも適当なピックアップ・プリアンプ・エフェクターを選ぶ方が大切。豆鉄もPAにつないだ音をよくすべく、こんな感じで機材をつないでいます。
出てくる音はこんな感じ。これならライブも行けそうな気がしませんか?
では、ここからはミニギターのデメリットを。
生音ではフルサイズのギターには勝てない
やっぱりボディーが小さいので、生音は音量・音質ともに普通のサイズのギターに劣ってしまいます。ミニギター特有のサステインの短い音も気に入ってるのですが、やっぱり比べてみるとね...。
生音重視の人は普通のサイズのギターがおススメです。
チューニングが狂いやすい
普通のギターよりも弦長が短いので、チューニングが狂いやすいです。僕の豆鉄は1~2曲弾くたびにチューニングをし直さないとと言う感じ。一般的なミニギターはもっと弦長が長いのでそこまでではないと思いますが、狂いやすい傾向はあると思います。
また、普通のギターより押さえ方で音程の変わる幅が大きいと思います。うまく押さえられないと、チューニングが合っていてもコードがきれいに鳴らないことがあります。
オクターブピッチが合わないものがある
これも弦長に関係しているのですがオクターブピッチが合わないものがあります。
オクターブピッチとは、1オクターブ差のある音の音程のことを指します。わかりやすく言うと、開放弦の音とその弦の12フレット抑えた音(1オクターブ上の音)が同じ音程か?と言うことですね。
12フレットでハーモニクスの音を出したあと、実際に12フレットを押さえて音を出し、同じ音程かをチェックすることでオクターブピッチが合っているかを確認できるのですが、ミニギターの場合、これがずれてしまうケースが多い印象です。弦長が短いので仕方ないのだと思いますが、購入するときはオクターブピッチが狂っていないこと確認してください。わからない人は経験者を連れて行った方がよいと思います。
ちなみに、豆鉄はこんなに小さいのにオクターブピッチは完ぺきにあっています。すごい技術...。
ボディーが小さいため、座って弾きにくい
椅子に座ってギターを弾くとき、ギターはボディーのくびれ部分が右足の太ももにはまることで位置が安定します。ミニギターだと、ボディーが小さいせいでこの安定する部分が思ったよりも体の右側に寄ってしまい、普通のギターよりも弾きにくいポジションに落ち着いてしまいます。
そのため、僕は座って弾くときにもストラップをつけることにしています。ストラップをつければ、ギターを体の正面に置けるので、ポジションの問題は解決できます。
ストラップをつけても相対的にヘッドが重いため、普通のギターより弾きにくい
ただ、ストラップをつけても完全に弾きにくさが解消されるわけではありません。ボディーが小さいので相対的にヘッドが重くなり、ヘッドが下がってきてしまうんです。弾くときは左手を添えているので大きな問題ではないのですが、手を放すとすぐにヘッドが下がってきてしまうのは地味にイライラします。
ネックが短く細いため、コードが押さえにくい
いろいろなところで、ミニギターは弦が柔らかく押さえやすく、初心者向けという意見を目にしますが、個人的には押さえにくいと思います。
ネックが細くて短いので、指を置くポジションが普通のギターに比べて狭いんですよね。そこにピンポイントで指を置かないときれいな音が出ない。ちょっとでもずれてしまうと音が出なかったり音程がずれてしまったりするので結構難易度が高いんです。だから、初心者向きとは言えません。もちろん初心者の人が買っても問題ありませんが、普通のギターよりも弾きやすそうだからと言う理由で買うのはやめた方がいいです。
以上、2年間豆鉄を弾いてきた経験をもとにミニギターの良いところ・悪いところを書いてみました。豆鉄は極端に小さいので、良いところ・悪いところも極端に出ているかもしれませんが、ミニギターの購入を検討している人の参考になればうれしいです。