ライカMモノクロームと言うカメラを作例で振り返る
僕のメインカメラはライカMモノクローム。自分には過ぎた道具だとわかっていながら衝動が抑えられずにロンドンで買ったカメラです。
モノクロしか撮れない・オートフォーカスがない・レンジファインダーなので厳密にはファインダーから覗いた画が撮れるわけではないと言う不便の化身のようなカメラです。時にストレスを感じることはありますが、撮れる写真を見るとそのストレスは自然に消えていきます。
Mモノクロームで撮れる写真の何が良いのか?答えるのは難しい。最新のカメラは解像度が上がっているので、もしかしたら専門機とは言えモノクロ写真の質でも劣っているのかもしれません。それでも僕には撮れる写真が特別に見えてしまいます。解像度・階調、そういった技術的なことはわかりませんが、普段の景色が素敵に見える。そんな魔法のかかるカメラだと思っています。
未熟者の作例ですが、少しでもそれを感じてもらえたら嬉しいです。
イギリス
ロンドンの古い街並みに巨大なロンドンアイ。
いつまでも改装しない駅は常によい被写体です。
ロンドンらしい時計。こんなに大きい必要はないのに。
教会の中は薄暗く、差し込む光が神様を感じさせます。
ただの歩行者がいつもとは違って見える。
ケンブリッジで本を読みながら歩いている人は特に賢そうに見えます。
日本
ただの湖です。ゴーストだかフレアだかが出ているのはご愛敬。
暑さを感じさせずにはつらつと歩く健脚。
誰もいない寺は心を静めてくれます。
台湾
若者がやっているおしゃれなカフェ。
何となくコーヒーも高級に見えたり。
カメラとしての性能を求めるならおすすめはできません。いまのカメラはどんな場所でもどんな被写体でもきれいにシャープに撮れる。
Mモノクロームはその真逆を行くカメラです。動いているものは撮りにくいし、暗いところも苦手。(ファインダーが見えないのでピント合わせが難しいという意味です。でもピント合わせができると暗いところでもいい感じでは仕上がります。)マクロ撮影もできません。ライカM型はそもそも最短撮影距離が70cmなのですが、僕のC Sonnar T*1.5/50 ZMと言うレンズなんて最短撮影距離が90cmです。
撮れるものは限定される。それでも写真を撮りながらゆっくりと過ごすつもりなら、これに勝るカメラはないと思います。
もしそういうカメラを求めているようでしたら買ってみてください。いままでと違った写真体験ができると思います。