iPhoneで弾き語り動画を撮る~SHUREのマイク MV88の使い方
結構前に弾き語りの録音・動画撮影用にShureのMV88と言うマイクを買いました。Lightning端子でそのままiPhoneに接続でき、簡単にきれいな音で録音できると評判のマイクです。
SHURE コンデンサーマイク MOTIVシリーズ MV88A iPhone iPad用 24bit/48kHz MV88A-A 【国内正規品】
- 出版社/メーカー: SHURE
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
これまで何度か動画を撮ってみましたが、iPhoneの録音としてはよい音であるものの、音の立体感を出すのが難しいという印象でした。そのためしばらく使っていなかったのですが、SHUREのマイクがこんな実力のはずはないと思いなおし、いろいろ試し録音をしてみました。
格闘の末、自分なりに弾き語り用のよいセッティングが見つかったので、備忘録を兼ねて書いておこうと思います。なお、撮影アプリはSHUREのMotiv Videoを使用しています。
三脚は必須
動画撮影でも録音でも三脚は必須です。と言っても大げさなものは必要ありません。このマンフロットのセットは角度の調節がすごく簡単なのでおすすめです。
Manfrotto ミニ三脚 PIXI ブラック MTPIXI-B カメラ用
- 出版社/メーカー: マンフロット
- 発売日: 2013/07/11
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログ (7件) を見る
Manfrotto スマートフォン用三脚アダプター MCLAMP
- 出版社/メーカー: マンフロット
- 発売日: 2015/11/19
- メディア: Wireless Phone Accessory
- この商品を含むブログを見る
こんな感じでどこにでも設置できるようになります。
ステレオで録音する
宅録(自宅での録音)ではモノラルで録音して、ミックスの時に各トラックを左右に振り分けると言う手順が一般的です。だからはじめはMV88でもモノラルで録音していました。
この習慣に流されたことが間違いでした。一発録りの動画はミックスダウンなんてしないんだから、ステレオで録音しても問題ない。そして人間の耳と同じように、左右で違う距離感で録音(ステレオ録音)すれば、両耳に同じ音が届いている(モノラル)ときよりも立体感が出るはず、と思って試してみたのですが、予想通りステレオの方がよい音で録れました。
こちらがモノラルの音
こっちがステレオの音
結構違いますよね。もう少し反響する場所で録れたらさらに雰囲気がよくなる気がします。
ちなみにMV88はマイクの向きを理解するのが意外と難しいので、書いておきます。上の写真のようにフロントカメラで横向きに録る場合、まず買った時の位置からマイクを90度回転させます。その上でマイクをこちら側に向けて差し込みます。この時、マイクは向かって右側に差すようにします。そうすると向かって右側にRの、左側にLの表記が来ます。この位置が正解です。
マイクを自分の正面に設置する
これが一番難しいのですが、ステレオで録る場合マイクが自分の正面に来るようにしなければなりません。それもマイクが斜めにならず、自分に対してまっすぐ向いているのが理想です。
iPhoneを設置するとき、どうしてもいつもの癖で画面やカメラを自分の正面に置いてしまいがちですが、これだとマイクが自分の正面からずれてしまい、声が2つあるマイクの片方にだけに大きく入ってしまいます。そんなに目立つわけではないのですが、イヤホンとかで聞くと気になってしまう。
こんな感じです。左に音が偏ってしまっています。
マイクを自分の中心に置くとこんな感じ。ギターはサウンドホールの位置の関係で若干左に寄りますが、弾き語りと言うのはそういうものです(笑)
イコライザーはフラット
SHUREのMotiv Videoはハイスペックでイコライザーまでついています。
アコギ弾きはイコライザーを見るとミッド・ローを下げる生き物です。アコースティックギターは中低音がとても多く含まれている楽器なので、それを落とす癖がついているんです。ただ、MV88の特性なのか、Motiv Videoの特性なのかはわかりませんが、この組み合わせではミッド・ローは強く出ません。だからフラットで大丈夫。もしかしたら多少ハイを削った方がよいかもな、というレベルです。
このページに乗せている動画で使っているクラシックギターはかなり低音が出るギターなんですが、フラットで録っているのにむしろもう少しローを足したいレベルです。(一番上の動画は癖でローミッドを落としています。その他はすべてフラットで録っています。)
アプリのバックグラウンド更新をオフにする
今回の実験中に気付いたんですが、アプリのバックグラウンド更新と言うのが結構頻繁に行われていて、録画・録音中にこれが始まるとノイズが入ります。『設定』から各アプリを選ぶと設定できますのでオフにしておきましょう。Motiv Videoは立ち上げると機内モードとおやすみモードを推奨してくれますが、それではバックグラウンド更新は防げないようです。
まとめ
MV88、今回の試行錯誤で結構使えそうな気がしてきました。どこへでも持って行けるので、いろんな人とのセッション動画もハイレベルに録れる。これはすごい強みです。その上、普通の録音と違って一発録はその場の空気感を切り取ってくれます。きちんと使えればすごく良い道具になるはず。使い倒して技術を磨いて、よい動画をたくさん録れるようになりたいですね。まずは動画にリバーブをかける方法を探すかな。