イギリスの郊外での暮らしと旅日記

ロンドンの南西 Shalfordという村で暮らしています。イギリスの暮らしと、旅(主に出張)、お酒と音楽の話を、あてどなく綴ります。

優秀な部下が去っていくことは前向きに捉えるべき

先ほど、アメリカにいる部下から退職するとの報告がありました。別の会社に引き抜かれた形です。とても残念な話ですが、一方で彼の飛躍が嬉しく、次のキャリアが明るいものであるよう素直に願うことができています。

 

会社に対する恩や上司に対する恩や情はアメリカでも存在します。今回、彼が涙声で報告して来たこともその現れだったと思います。でも、アメリカの人はそれ以上に自分の可能性を追求することを大切ににする印象があります。自分にはどう言ったキャリアがあるのか。それによって得られる報酬はどの程度なのか。日本では聞きづらいこういう質問を割とさらっと上司に対して聞く事が多く、それに対してきちんとした回答をできないと、その部下の心は離れていきます。

 

今回退職を決めた彼はとても優秀な人材でした。失いたくはなかったので彼のキャリアについては真剣に考えました。具体的には、近々いま自分が担っている営業責任者の職に就かせることを考え、タイミングについて本人と相談もしていました。正直、会社として提案できることは全てしてきたかな、と思っています。

 

今日、彼は『会社も好きだしあなたと一緒に働きたい気持ちは強いけれど、今回受けたオファーは条件がよく、かつより良いキャリアが見えている。これを断ることはできない。』と言っていました。優秀な人材は転職時にもっとも待遇が上がります。多少条件を上げたくらいでは引き抜くことは難しいからです。今回彼はかなりの好条件を得ることができたのだと思います。

 

実は1年ほど前に彼は別のオファーを受けたことがありました。その時は迷いがあったため、一緒にそのオファーを受けるべきか話し合いをしました。いまの業務と新たな業務との比較をし、どちらが成功の可能性が高いのか、賃金だけではなくインセンティブまで想定した場合どちらが彼にとって有利になるのか。そう言ったことを細かく話し合い、その時はいまの会社に残ることが彼にとって最良だという結論になりました。

 

今回はその相談がありませんでした。退職の話を聞いた時、迷う余地がないほど良い条件だったのだということが容易に想像できました。だから止める気にはならなかったし、自然に彼の成功を祈ることができました。部下を失う上司をそういう気持ちにさせることも、彼が優秀だという一例なのかもしれません。

 

『またどこかで一緒に働けるといいね。』欧米のおもしろいところは、彼のこの言葉が結構高い確率で現実になることです。転職するとき、これまでの経験を活かして同じ業界に移ることが多いためです。そのとき、お互いに大きなビジネスを動かす力がついていて、もっと面白いことができたらと思います。

 

自分が育てた部下が大きく羽ばたいていく、これは喜ばしいことです。さみしい顔をせずに送り出そうと思います。

 

いままでがんばってくれてありがとう。新しい場所での成功を祈ってます!